【シン・ウルトラマン】のヤバすぎる裏設定とは?

【シン・ウルトラマン】の公開より1ヶ月が経とうとしているので、物語のネタバレにもなるような部分についても考察に踏み切っていこうと思います。

今回は、シン・ウルトラマンのあらすじをなぞりつつ、作品を観た前提でお話しますので、まだ観ていない方でネタバレをしたくない方はご遠慮ください!

この動画は「シン・ウルトラマン」を観たチビトラの母の以下の仮説を検証するものです。
  1. 幻の「さんにんめのウルトラマン」とは?
  2. 「シン・ウルトラマン」と「シン・エヴァ」の裏設定とは?
  3. 「シン・ウルトラマン」のウルトラ族の正体はケムール人

【シン・ウルトラマン】の主人公神永新ニの「シンジ」という名前は、「碇シンジ」ではなくて、監督樋口真嗣ではないかという仮説は、前回の【シン・ウルトラセブン】の考察にてさせていただきましたので、よかったらそちらも動画見てください!

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仮説① 幻の「さんにんめのウルトラマン」とは?

先日、N●Kにて2人のウルトラマンが放送され、話題になりました。

金城哲夫は第1期ウルトラシリーズのメインライターとして、Q、マン、セブンの世界観を築き上げ、同じ沖縄出身の上原正三が受け継ぐ形で、帰ってきたウルトラマンのメインライターとなった事から、金城と上原ともにウルトラシリーズの産みの親となるドラマがありました。

 

ウルトラセブン終了後、金城哲夫は、セブンがリアルタイムでは、視聴率が振るわなかった事と、会社とテレビ局の軋轢に疲弊してしまったのか、セブンが光の国に帰還したように、沖縄に帰郷してしまいます。

帰郷後も円谷プロは、金城メモや直接訪ねてシナリオを書いてもらうなど、何本か作品を残しながら、金城自身も若くして光の国に旅立ってしまうのでした。

 

上原正三は、同郷の金城に代わって、TVなど、様々な媒体を通して、ウルトラマンの製作秘話を語り続けます。

 

M78ワールドとは世界を分けた「ウルトラマンティガ」にて、初代ウルトラマンが客演登場する、第49話「ウルトラの星」の不思議な物語は、同シリーズの脚本依頼を受けた上原氏が、「ウルトラマンの産みの親は、作家金城哲夫である。」というメッセージを劇中で残した、金城氏への花束を送った作品なのです。

この辺の金城・上原のウルトラにまつわる話は、ぜひドラマをみていただければと思いますな。

さて、【シン・ウルトラマン】では、金城・上原氏にまつわる物語よりも、忘れてはいけない、ウルトラマン誕生に貢献したもう1人のウルトラマンをリスペクトした強いメッセージを発信しています。

それは、山田正弘氏です。

シン・ウルトラマンに登場した怪獣に共通した、パゴス・ネロンガ・ガボラは、着ぐるみベースが同じであっただけではありません。同じ、山田正弘氏によって書かれたものなのです。

ウルトラQのなかでもマニアックな第12話「鳥を見た」の古代怪鳥ラルゲユウスを登場させた事は興味深いです。
山田正弘氏は、ウルトラを代表する怪獣たちを産み出した、もう1人のウルトラマンといえます。

山田氏は、「ウルトラマンで有名な〜」というよりも、日本文学界では著名な作家で、脚本家デビューのきっかけは、あの石原慎太郎の誘いを受けてのものでした。

ところが、異色の経歴の持ち主であり、谷川俊太郎と交流のある詩人の一面をもっており、ウルトラシリーズの中で、山田脚本は、SFよりもファンタジーな雰囲気を書いた作品が印象的です。

山田の書いたウルトラQ、第15話「カネゴンの繭」にて、誕生したコイン怪獣「カネゴン」は、お金を食べ続けないと死んでしまう、ウルトラではピグモンにならぶ知名度の高い怪獣です。また円谷の怪獣で人気の高い快獣ブースカは、山田のアイデアをもとに制作されました。

超獣とガッシガシの死闘を繰り広げた、ウルトラマンAの第31話「セブンからエースの手に」の物語は、鳥獣になってしまった動物園のバクちゃんを救う、ホットした物語です。命に関わる危機ではない事態に、ウルトラ兄弟のセブンが助けにくる異例の展開でした。

山田氏にまつわる逸話については、他の動画にて語っていますので、またそちらもご覧いただけるとありがたいです。

【ウルトラセブン|第4話|マックス号応答せよ】顔丸出しのヤバい宇宙遊泳の真相とは?

宇宙空間をウルトラセブンに、ロープで引っ張られるウルトラ警備隊員。この顎むき出しで宇宙遊泳するヤバいシーンは、これには子供でも違和感を感じてしまいます。なぜ、こんなヤバいカットになってしまったのか、制作の裏側で起きていた事を解説していきます。

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仮説② 「シン・ウルトラマン」と「シン・エヴァ」の裏設定とは?

ぼんやりとしていたら見過ごしてしまう、コアなウルトラファンでなければ、わからない重要なストーリー部分がある事に気づきました。

シン・ウルトラマンのクライマックスでは、「シン・ウルトラマン」のマルチバース世界の人間は、みんなが巨人化して戦うことができる。というとんでもない事実をメフィラス星人は見抜いて、人間たちに「ベータシステム」の技術提供を伝えて、密約を交わしていました。

このあたりが、ぼんやりとしていると入ってこないわけなんですが…庵野秀明が脚本を書く中で、ここで用いたかったのは、「ウルトラマンタロウ」と「シン・エヴァンゲリオン」ではないでしょうか?

「ベータシステム」とは、M78星雲にある光の国の住人、通称ウルトラ族の誕生のきっかけとなる「プリズムスパーク」のことではないでしょうか?「プリズムスパーク」の初見は、ウルトラマンタロウでした。

第25話「燃えろウルトラ6兄弟」にて光の国に帰還したタロウは、ゾフィからウルトラマンの歴史を聞きます。

詳しくはYouTubeにて語っています!

劇中では語られていませんが、各種媒体にてウルトラマンたちは、もともと同じ人間であった者たちが、人工太陽プリズマスパークから放射される、ディファレーター光線を浴びることによって、現在のウルトラマンの姿に進化することができたそうです。

つまりは、ウルトラマン達も、もともとは地球人と同じような姿形をしていたなか、ベータシステムのもとであるプリズマスパークの開発によって、現在の超人的な力を手に入れることができた。要するに地球人は科学の進歩によってウルトラマンになれるわけです。

しかし、科学技術を他の文明から技術提供してもらう事は、宇宙の摂理に反するということでしょうか?「シン・ウルトラマン」では惑星間の協定に違反するという事を逆手に外星人たちは、地球侵略の大義名分を手に入れようとしたり、地球人はゾーフィの裁定によって、滅亡しかけるなど…「シン・ウルトラマン」の物語のクライマックスにつながってくる重要な設定部分ではないですな?

庵野秀明は「シン・エヴァンゲリオン」のなかで、ウルトラマンタロウが第25話にて、ウルトラオーバーラッピングという技を用いて、灼熱のウルトラタワーの中に入る演出をオマージュしました。

おそらくは…

 

仮説③ 「シン・ウルトラマン」のウルトラ族の正体は●●●●人

パゴス・ネロンガ・ガボラと、着ぐるみが再利用されたネタを用いられた事から考えると、じつは「シン・ウルトラマン」の世界では、驚愕の裏設定が見えてくるのです。
「シン・ウルトラマン」の撮影が進んでいた、2020年はケムール人のやって来た未来の設定年代でした。

 

初代ウルトラマンのスーツアクターを務めた古谷敏さんは、ケムール人のスーツアクターとして、高身長で手足の長いスタイルが好評で、その後もラゴンを演じた後に、初代「ウルトラマン」のスーツアクターをつとめることになりました。

 

古谷敏さんの体型にあわせウルトラマンのスーツはつくられ、芸術家成田亨氏の美的センスによりグローブやブーツの見えない、一体型の美しいフォルムをしています。

ケムール人は劇中では宇宙人というより、高齢化社会に困った未来人のような描かれ方でした。

ところが、メフィラス星人の僕として、2代目のケムール人は宇宙人のような扱いでした。

さて、「シン・ウルトラマン」は登場から、ウルトラシリーズお馴染みの宇宙人的なほわわーんとした、効果音が漂う演出がとられました。

さて、ケムール人は姿そのままに、ウルトラマンの最終回ではスーツを着て、今度はゼットン星人として登場をします。ゾーフィが天体破壊兵器Zを召喚して、度肝抜かれた方は多いでしょうが、次のような見方をすれば自然に思えるかもしれません…

実は、シン・ウルトラマンのウルトラ族は●●●●人ではないか説です
なるほど見事に全ての辻褄があいますな!

※詳しくはYouTubeにて語っています!

劇中では、ウルトラマンは服を着ているのか着ていないのかわからない…怪獣は頭をつけ替えただけじゃないか…など着ぐるみネタを科学者がリアルに分析するシュールなシーンがありました。

このあたりは、後の「空想科学読本」の中でいっぱいツッコミを受けていた部分を、ネタとして逆手にとった演出に脱帽ですな。