※YouTubeでしか語っていない部分があります
注意ポイント
今回の動画のほとんどはチビトラ母の個人の妄想です。信じるか信じないかはあなた次第という事でご覧ください。

シンウルトラマンの大ヒットによって、あらためて庵野秀明のウルトラマンシリーズとエヴァンゲリオンの関連性やメタファーを考察した解説動画が増えてきました。
庵野秀明がウルトマンの熱狂的信者である事から、庵野作品にはウルトラが大きな影響を受けている事はご承知の通りです。
なかでも、「ウルトラセブン」が庵野秀明に与えた影響に注目を集めています。また、セブンファンたちは、次回作に「シン・ウルトラセブン」はあるのか?どこか期待するおもいがあります。
そんな中で、「ウルトラセブン」は実相寺昭雄作品であると、偏ってしまった情報も目立ってきているので、その辺りの誤解を整理しつつ…

はたして「シン・ウルトラセブン」はありえるのか、ここで検証を試みることにしました。
【仮説①】神永「シンジ」の正体とは?〜「シン・ウルトラマン」は庵野作品ではない説〜



ウルトラ好きでエヴァが好きな方からは、様々な説がささやかれていると思います。

監督樋口真嗣、本人ではないかという説です。
「シン・ウルトラマン」をご覧になった方は、映画のパンフレットはご購入されましたか?じつは、そこにあるべき人の名前がないのに気づかれましたでしょうか?
※詳しくはYouTubeにて語っています!
「シン・ウルトラマン」は、「シン・エヴァンゲリオン」の公開後の作品ということもあって、前作の「シン・ゴジラ」に引き続き、庵野秀明作品という誤解を受けやすいです。

神永新ニのシンジとは、エヴァの世界から3次元世界に転生した「碇シンジ」の姿と、エヴァ好きの方なら想像を膨らませたいと思いますが…
神木隆之介さん
妖怪大戦争(2005)の主役でメジャー
一年前のシン・エヴァ(2021)で28歳に成った碇シンジかぁ
ええ役もろたなぁ🥺#エヴァンゲリオン #エヴァ一気観 #おうち映画 #涙腺崩壊 😭 pic.twitter.com/3wLBqLBsHG— 弐番手 (@2nd_rail) January 30, 2022
もう一人、この映画に「シンジ」がいることにお気づきでしょうか?

ある情報によれば、樋口真嗣は、庵野秀明と深い親交があり、「新世紀エヴァンゲリオン」の主人公「碇シンジ」の名前の由来は、そもそも樋口真嗣にあるとされています。

樋口真嗣氏は、まだ無名の頃に、ガイナックス創立のきっかけとなった「王立宇宙軍オネアミスの翼」の助監督をつとめ、アニメの世界からスタートして…
一方で、「ウルトラQザ・ムービー 星の伝説」や「帝都物語」など特撮作品に画コンテ提供を行い、実相寺昭雄監督とも交流した経験のある人物なのです。
そして、樋口真嗣氏が大きく評価を受けるきっかけとなったのが、「平成ガメラ3部作」なのです。

私もあれ?と思ったのですが、「平成ガメラ」の製作はウルトラのように、本編のドラマと特撮で監督が分かれており、特技監督として樋口真嗣は、日本アカデミー賞を受賞するなど、大きな評価を得ることになったのです。
ところが、この「ガメラ大怪獣空中決戦」の関係スタッフによれば、樋口真嗣氏のこだわりにより、高いクオリティの特撮作品になったものの…あわやお蔵入りとなりかけたいきさつが語られています。
その時の教訓からか、樋口監督はスタッフや出演者からの意見をよく聞く穏やかな監督の評価をうけます。
樋口真嗣氏は、その後も「ローレライ」、「日本沈没」といった名作を手がけるわけですが…ある作品にて課題にぶち当たってしまうのです。

高い人気を誇る漫画「進撃の巨人」を実写映像化する事になり、私も映画館に観にいきました。
評価はひとそれぞれあるかもしれませんが、「進撃の巨人」の世界を、特撮技術でなんとか表現しようとした、実験的作品だったわけですが、監督本人もあまり納得のいく作品とはならなかったのです。
さて、次の年に「シン・ゴジラ」が公開されたわけですが…「シン・ゴジラ」は特撮よりもリアルなCG技術を優先的に取り入れた作品となりました。
「シン・ゴジラ」は数多くのグランプリを獲得するにとどまらず、流行語となる程、高い評価を受けた作品となりました。庵野秀明は総監督・脚本でありますが、本編・特技監督は樋口真嗣によるものです…


遡ること、2012年「巨神兵東京に現わる」という特撮短編映画がありました。これは、CGを一切使わない、昭和のアナログ技術で巨神兵が東京で破壊活動を行う映像作品です。
「館長 庵野秀明特撮博物館 ミニチュアで見る昭和平成の技」という特撮文化を残す活動のいっかんで、あったわけですが…特撮の再現に感動を受けた一方で、映像が高画質化してきた現代においては、正直なところ、物語に●●できない感じがありました。
実写映画「進撃の巨人」と「シン・ゴジラ」の評価は、特撮映画の将来に、特撮の限界を示す、非常に辛い現実を示してしまったのでした。
「シン・ウルトラマン」では、樋口真嗣氏のインタビューによれば、CGのウルトラマンを、CGに見えないように、肌の質感をウエットスーツのようにCGで表現したというエピソードがあります。そこには、高画質な映像でリアルな特撮を撮るには、アナログな特撮技術では難しいという課題を突きつけられているように感じます。
極力特撮を用いないようにすることで、映像は美しく、そして低コストで撮影できる。着ぐるみではなく、CGだからこそ、古谷敏さんご本人がモーションキャプチャーで出演できたこともよかったのかもしれません。

シン・ゲキの巨人での挫折を回収する光の巨人として、神永新ニは「シン・ウルトラマン」として現れた。
アニメと実写の融合による映像美、それが「シン・ウルトラマン」の成功であり、皮肉にも特撮の限界をメタファーとして含む作品となっているのです。
また、ニュージュネレーションウルトラマンとして、着ぐるみとミニチュア、火薬、ジオラマを用いたアナログの特撮にのぞむ田口清隆監督にエールを送っているようにも感じます。
その根拠としては、同時期に撮影されていたと思われる、ウルトラマンZの●●が見えた気がします…
【仮説②】庵野作品考察に引き込まれ、ウルトラセブン解釈に誤解が生じているのではないか?
庵野作品の映像では、実相寺アングルが「シン・ゴジラ」のような実写のみならず、「ふしぎの海のナディア」「エヴァンゲリオン」とアニメ作品でも、用いられている事は、すでに語り尽くされたことなので、今更説明するまでもありませんが…
そこへきて、実相寺昭雄監督の存在が大きくなり過ぎてしまい、とある極端な解釈による誤解が気になっています…
「『ウルトラセブン』の世界観は実相寺昭雄がつくった!」
これは、セブンの映像に共通して「陰影の強い演出」を用いられていることを指すものだと思われます…
確かに、第8話「狙われた街」は、庵野秀明のみならず、松本人志など、多くの文化人に影響を与えた、実相寺昭雄監督作品の真骨頂ではあります。

ウルトラセブンの「陰影の強い演出」は、メイン監督満田かずほ氏によれば、自分も他の監督たちも、テレビではなく映画を撮っているおもいが強かったからなのです。完成した映像を試写する時もブラウン管ではなく、スクリーンだった事もあるそうです。
(※円谷プロはウルトラQより「テレビ映画」という、35mmの映画用のフィルムを贅沢に使っていました。)
【#ふたりのウルトラマン】
ウルトラマンを創った沖縄出身の脚本家・金城哲夫と上原正三のヒューマンドラマ。
貴重な証言や資料映像もたっぷりと‼出演:満島真之介 佐久本宝
証言:満田かずほ 円谷粲 樋口祐三 田口成光 橋本洋二 藤川桂介BSプレミアム/BS4K 2(月)夜9:00https://t.co/kLoTM5LWzG pic.twitter.com/Q01yFTnN2g
— NHKアニメ (@nhk_animeworld) May 1, 2022
セブン放映1967年は、映画全盛期の時代で、テレビは「電気紙芝居」と揶揄されるくらい、テレビはまだ日の目を見ていない時代でした。
とはいえ映画監督を務めるには、映画界はすでに飽和状態だった事から、黒澤明監督のもとで助監督やスタッフをつとめた、一流の映画監督候補生たちが、泣く泣くテレビに降りてきて、円谷英二、息子一の勧誘により「ウルトラマン」、「ウルトラセブン」の撮影に参加していったのです。
ウルトラマンの誕生には、TBS映画部より出向するかたちで、作品に携わった実相寺昭雄のみならず、飯島敏宏監督の試行錯誤が大きく貢献したのです。
しかし、「セブン」では、東宝より独立をはたしたばかりの、円谷プロとしては所属するスタッフにメガホンをとらせたいおもいから、30代と若手である満田かずほ、鈴木俊継が作品の多くを監督しています。ダンとアンヌの淡い青春ストーリーは、満田かずほのねばり強い演出によるものです。
また、作品の物語は、SF色を強くして、対象年齢を引き上げたい金城哲夫と、社会派を感じる深い物語は、金城と同郷の沖縄出身の上原正三、後に売れっ子作家となる佐々木守、市川森一、藤川圭介…といった個性豊かな若手作家たちの手によるものです。
また忘れてはならないのは、隊員服からウルトラ警備隊の基地、超兵器まで、スタイリッシュなデザインは、芸術家成田亨のによる成果が大きいです。「シン・ウルトラマン」には成田亨のリスペクトを感じます。
とはいっても、ウルトラホークなどのメカニックに、力の入った演出は、円谷英二の監修が大きく働いた事もあったと思われます。
と、ざっと簡単にふりかえって「ウルトラセブン」の世界観は、「エヴァンゲリオン」が代表的な庵野作品とされるように、誰か一人の手により完成した名作というよりも、ベテランから若手のクリエイターたちの試行錯誤による、血と汗の努力がかけ合わさった産物なのです。


エヴァのプラグスーツのように、女性のフォルムがクッキリとみえるエキゾチックなデザインは、アンヌ隊員役のひし美ゆり子の身体のラインが見えるピチッとした制服姿が基になったといわれます。
「深々度ダイブ用耐圧試作プラグスーツ」#エヴァ #オモ写 #美しきフィギュア達の宴 pic.twitter.com/zzZGSx6wim
— シン・たかやん (@sin_takayan) June 8, 2022
それは有名な「アンヌ隊員役交代事件」という偶然が生み出したものなのです。もともと、アンヌは豊浦美子さんがキャスティングされていましたが、突如映画に出演が決まり、新人だったひし美ゆり子氏が代わりにアンヌ役となる事が決まりました。
ところが、制服のサイズは豊浦美子さんの寸法でつくられたまま、ひし美ゆり子さんに引き継がれたため、あまりにピッチピチであったので脇の黒いジャバラを切ったというのは有名な逸話です。アンヌ隊員のグラマラスなピッチリとした制服姿と母性を感じる声の質感と、作り手が意図していなかったアンヌ像が世の少年たちの心をつかんだわけであります。
友里アンヌ隊員も73歳
幼少の頃の憧れの女性
セブンセブンセブン pic.twitter.com/HncEichGpg— K A Z E (@KP61TS) June 27, 2020
ひし美ゆり子さんのエッセイ「セブンセブンセブン」にあるアンヌのオンとオフが、葛城ミサトの性格のモデルとなっているというのは、本当ですかな?
【仮説③】「シン・ウルトラセブン」徹底考察、庵野秀明は自分で「シン・ウルトラセブン」監督をしたい?
「シン・ウルトラマン」は結局のところ、忠実に初代マンの物語を令和に復刻した作品であって、セブンの重要なエッセンスを感じられないからです。樋口真嗣氏に監督を委ねた、実験的な作品のように思えます。
実際、庵野秀明本人は、「シン・エヴァンゲリオン」の製作で多忙を極めた中で、同時進行で製作を進めて、「シン・仮面ライダー」では自身でメガホンをとる予定でいるので、多忙であった事がわかっています。
もしかすると「シン・ウルトラセブン」は、庵野秀明監督作品として、「シン・仮面ライダー」に続く構想がすでにあるのかも知れません…
根拠として、「シン・ウルトラマン」がもしウルトラセブンをオマージュしているのであれば、次のテーマがえがかれていたはずだからです。
ウルトラマンと比べて、ウルトラセブンはドロドロとした暗い、子供向けの勧善懲悪に見せて、何かスッキリしない…モヤモヤとした物語の幕引きが特徴的です。とくに、今回はセブン第42話「ノンマルトの使者」をオマージュする期待があったのですが…
平成セブンにおいて、すでに回収されたテーマではありますが、第6話「ダーク・ゾーン」、第26話「超兵器R1号」など、地球人が生き延びるために、地球外生命体が犠牲になってしまう、後味の悪いエンディングを大人になって気づいて、ウルトラセブンをビターな作品として、社会派なドラマを感じたファンの方は多いはず?
このセブンがもつ、ビターな世界観をはたして「シン・ウルトラマン」がオマージュをしたのか…「空想と浪漫、そして、友情。」をテーマとする「シン・ウルトラマン」は純粋に初代マンなのでは?
「黙れウルトラマン、貴様は宇宙人なのか?人間なのか?」とメフィラスに聞かれたウルトラマンは「両方さ」と答えます。対して、ウルトラセブンは人間ではなく、M78星雲人の宇宙人が擬態した姿なのです。
「シン・ウルトラセブン」は、外星人ウルトラセブンが、地球防衛のために働きながら、地球人のエゴイズムや地球外生命体との共存に板挟みにあいながら、地球人女性の愛を受けて、最後まで戦い続ける物語なのではないでしょうか?

舞台は、シンウルトラマンが地球からいなくなったその後の世界…地球は引き続き外星人たちの侵略の魔の手にさらされていた。M78光の国は宇宙の警察として、地球を
という、ウルトラセブンの最終回「史上最大の侵略」をオマージュして、最後のクライマックスをむかえると考えましたが、あ・く・ま・で妄想ですので…みなさまの想像するシンウルトラセブンがありましたらコメント欄に記入ください。
ちなみに、ヒロイン「マリ」の名前は、アンヌの由来となった「真里アンヌ」からきています。主人公は庵野版「帰ってきたウルトラマン」から流用したのですが、はたして「モロボシダン」の名はいかに?といったところです。