【ウルトラセブン|第35話|月世界の戦慄】〜55年前、未来があったとは?〜

👆YouTubeでしか語っていない部分があります👆

ねえねえ、ウルトラおやじさん…「55年前、未来があった」というウルトラセブン55周年の言葉を実現したものといえば?

 

ビデオシーバーですかな?Apple Watchが実現しましたな。

 

今回のキーワードはApple Watchではなく、アポロ計画ですよ!

 

あれ?もしかして、あえて韻を踏んでいますかな?

 

そんな、おやじさんと一緒にしないでくださいよ。人類が再び月に行こうとしている宇宙産業ブームにわく昨今…ウルトラセブンは人類が月面着陸を達成する前に、月に行ったのです!

 

あらすじ

「月世界基地、突然の爆発事故をキャッチした地球防衛軍では、キリヤマ隊長とダン隊員を調査に向かわせた」

ウルトラホーク1号は月に向かって宇宙空間を突き進む。

ところが、本部との通信が途絶してしまう。月を舞台に陰謀をめぐらす犯人は誰か?そして、零下180度の月の闇にまかれる絶体絶命のウルトラセブンの運命はいかに?

 

その165 キリヤマ隊長炎上する

「月世界の戦慄」で視聴者が一番「戦慄」を覚えたのは、宇宙飛行中にキリヤマ隊長がライターに火をつけた途端に、シュボッと炎があがったシーンですな。

 

「胸が…変な具合に苦しいんだ…」という伏線から、酸素が過剰に供給されてしまっている事を視覚的に面白く表現していますね…

 

宇宙に来てまでタバコを吸おうとする…昭和の愛煙家魂はたくましいですな。いまの時代こんな映像がネットに上がったら文字通り炎上案件ですな。

 

ホーク1号はメインロケットが故障して失速…本部とは通信途絶と窮地に追い込まれ、さすがのキリヤマ隊長も怒り心頭!不可解なトラブルに巻き込まれた、密室でのキリヤマとダンの迫真の演技は、お気に入りの場面です。

 

静寂の宇宙空間に響く効果音は子供の頃に、宇宙空間ではこんな音が聞こえるんだと信じていましたな。

 

「宇宙音」という効果音で、意外なことに、発売されているセブンのサウンドトラックのなかでも貴重な音源だそうです…絶対音感のある人が聞くと、それぞれのシーンで音の感触が違うらしいです。

 

わいには同じにしか聞こえませんな…

 

その166 貴重なセミレギュラーV3のクラタ隊長

https://twitter.com/rider1cyclone/status/1462059719191777287?s=20

これまでも「緑の恐怖」のイシグロ隊員、「宇宙囚人303」のミズノ隊員といった、一度っきりの出番で影の薄い宇宙ステーションV3所属の隊員たちですが…クラタ隊長は「V3から来た男」からの再登場をはたしましたね。

 

もしかしたら、13話でイシグロもミズノもアイロス星人に撃墜されたのかもしれませんな…

 

そんな悲観的な話で脳内補完したくはないですね。クラタ隊長の再登場には2つ理由が考えられて、まず本作「月世界の戦慄」は「V3から来た男」と同じく、脚本を市川森一が書いて、監督を鈴木俊継がつとめている事から起用されたと言われていて、またクラタ隊長を務める南廣さんは、「マイティ・ジャック」では副長、隊長と重要な役どころなので、同時撮影のセブンにも顔を出す機会があったのかもしれないとか…なかったりとか…

「こちらホーク1号。…クラタ、しばらくだなぁ」

「ああ、一緒に宇宙に出るのは3年ぶりじゃないか」

「そうだなぁ…そうだ、あれはヘルメス惑星のザンパ星人を全滅させた…あれ以来だな…」

「あの時の戦いに比べりゃあ、楽な仕事だ」

 

詳しくは第13話の解説にて語っていますが、キリヤマ隊長役の中山昭二さんとクラタ隊長役の南廣さんは、共に旧日本軍に入隊経験のあります。

 

軍隊経験があるとセリフの重みが違って聞こえますな。

 

クライマックスでは、部下に化けていたザンパ星人に、背後をとられてしまう危機に陥るクラタの前に…キリヤマとダンが現れハラハラした展開…

 

SFに、サスペンスに…名作回ですな。

 

ところが、この回はシリーズ初の視聴率10%代をだしてしまうのでした。

 

そんな〜…ラストの心配をしてUターンして帰ってくるクラタとキリヤマのやりとりとか見どころがいっぱいなのに

 

「クラタさん、月に忘れ物ですか?」

 

私も本作のラストシーンは好きなんですけどね…とくにアンヌがダンの無事を心配して月を見上げるシーン…アンヌにはいまの人とはちがったおもいがあったのでは?というある疑問があります。後半にて語ります。

ちなみに「ザンパ星人」は以前、「サイボーグ作戦」のボーグ星人の別名で脚本の中でザンバ星人と名前があったのは覚えていますか…?

 

沖縄の残波岬が由来していると言われていますな?

 

詳しくは、第27話の解説をぜひ見てください!

【ウルトラセブン|第27話|サイボーグ作戦】幻となったバッドエンドとは?

サイボーグに改造された野川…しかし、物語は何もなかったかのように終わってしまう。もともとは、バッドエンドのストーリーがあったのだ!大幅な書き換えとなった「半人間」のシナリオを公開!また、ソガ隊員のキャラ設定が2.5枚目の理由について解説!

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その167 ●●に弱すぎるウルトラセブン

子供頃に見て、あんなぶよぶよしているだけの怪獣に、セブンが苦戦しているのかがよくわからなかったのをいまでも覚えていますな。

月の夜は零下180度と凍えるような気温で、寒さに弱いウルトラセブンには苦手な気候だったのです。エネルギーがみるみる減ってビームランプが点滅をはじめたところに…隕石が落下して奇跡の一発逆転が起こるというストーリー…

 

「誰だって、零下180度の真っ暗闇なんて、ゾっとしないからなぁ」

 

キリヤマの言葉にあるだけで、雪がふったり、凍りついたりする視覚的な情報がないから、子供にはわかりずらいですな…

 

セブンと対決した月怪獣「ペテロ」…ペテロで検索するとキリストの使徒の名前が出てきます。

 

え?この怪獣は使徒だったのですか?

 

エヴァっぽいネタですね。それは脚本家市川森一が敬虔なキリスト教徒だからです。市川森一はキリスト教の教えから、発想をえて物語を書いている事は第37話盗まれたウルトラアイにて語りますね。

 

ところで、ウルトラおやじさん…じつは月の昼間って…地球と違って2週間あるそうです…

 

あれ?

 

それは置いといて、暗くなる月を不安げに見上げるアンヌ…物語のラストでは次のようなモノローグとアンヌのアップで終わりますね。

「きっと、来る…」

「きっと、帰って来るわ…」

この回が放送された1968年当時はまだ月は人類未到の地、私たちにとって火星や木星に恋人が音信不通の恋人がいるようなおもいなのです。

 

その168 ウルトラセブンはアポロ計画の●●

 

「僕らの生まれてくるずっとずっと前にはもう…アポロ11号は月へ行ったっていうのに…」という流行歌も、もはや20年以上経ってしまいましたな…アメリカのアポロ計画は映画化されたり、有名でしたが…いまや知らない世代も増えてきたかもしれませんな。

 

しかし、ウルトラセブンを語るからには、アポロ計画のきっかけとなる…アメリカとソ連の宇宙開発競争にはじまる「宇宙ブーム」についてはぜひ知ってもらいたいですな。

 

お手柔らかにお願いしますね。

 

ウルトラおやじさんは…子供の頃に、この怪獣のマネはした事ありますね…

 

誰でも一度は「ジャミラ」のマネをしたことがありますな

 

そんな誰でもマネをした事のある有名な怪獣「ジャミラ」…でもこの怪獣は元々は人間であり…行方不明となった某国の宇宙飛行士のなれのはての姿、という衝撃の物語は、当然ご存じですね…?

 

実相寺昭雄監督作品、初代マンの第23話「故郷は地球」ですな。

 

これは私の推察ですが…劇中に用いられている宇宙飛行士達の写真がNASAのジェミニ計画のものなので、おそらくは「ジャミラ」の名前の由来は「ジェミニ」なのでは?と考えます…

「ジェミニ計画」って何ですかな?

 

はい、いい質問ですね!1961年にかの有名なアメリカ大統領ジョン・F・ケネディは「1960年代中に人間を月に到達させる」と宣言しました。ジェミニ計画はアポロ計画にむけて、アメリカのNASAが行った…地球の周りで人間が宇宙遊泳したり、宇宙船のドッキングの基本操作などの実験です。実験は1966年…Q、初代マン放送の時期まで行われていました…

 

もしかして…セブン放映時に人類は月にすら到着していなかったのですかな?

 

アポロ計画はセブン放映時にようやく飛行計画を発表したところでした。人類が初めて月の土を踏むのは、放送の翌年1969年でした。

 

「月世界の戦慄」で、1年早くウルトラセブンは先取りして、再現度の高い月面の映像を撮っているのですな。

 

ともあれ、このアポロ計画にわきたつ宇宙ブームは、ウルトラセブン誕生のきっかけにもなったので知っておいてもらいたいですね。

 

ということで次回は「必殺の0.1秒!」2の線のソガ君がみどころですな。

 

お楽しみに!