リテイク版【ウルトラセブン|第10話|怪しい隣人】〜みんな誤解しているアイスラッガー〜

 

ねえねえ、ウルトラオヤジさん…他のウルトラ兄弟にない、ウルトラセブンの代表的な技といえば…何が思い浮かびますか?

 

うーん…ハエバズーカですな!

 

は?いやいや、あのミクロ化したセブンがバズーカからクレイジーゴンに体当たりする技は「ステップショット戦法」と言うそうです…そんな技よりウルトラセブンといえば…やっぱりアイスラッガーですよね!

 

あれ?アイスラッガーって他にも使えるウルトラマンっていますよね?

 

ああ…痛いところをつきますね。平成ウルトラマンでは「ウルトラマンマックス」…ニュージュネでは息子のウルトラマンゼロが使っていますね。ところで、気になるのはウルトラマンゼロの技「エメリウムスラッガー」です。

 

ポーズはセブンのエメリウム光線なのに…なんでスラッガーなんですかな?

 

おやじさん、いい質問ですね!その謎はアイスラッガーの誕生秘話に隠されています。切断技であるはずのアイスラッガーなのですが…なぜか…イカルス星人…だけでなくゴドラ星人、ペガッサ星人では、どうしてか打撃技となります。あと、なぜ「セブンスラッガー」じゃないのか??セブンの有名な必殺技なのに謎が多い技なので紹介します。

 

アンヌの例のポロリ事件もお忘れなく…

 

あらすじ

というか、俺が司会している事に疑問を持っている人間がいるようだが…言っておくが俺の肩書きは分析宇宙人だぞ!(※正しくは分身宇宙人です)というか、古参の視聴者が初期のウルトラおやじの正体は、声がガッツ星人だろってところからきているんだが…蛇足したな悪かった…

足に大怪我をして部屋に引き篭りっきりのアキラ少年は、隣に住む怪しい住人が気になり…ずっと観察していた。少年の様子を心配したアンヌは、ダンを連れて勇気づけようとした。ところが別荘を訪れたダンは、イカルス星人の作りだした四次元空間の隙間に迷い込んでしまう。そこでは、変身もカプセル怪獣も使えない…絶体絶命のダン…どうする?

 

その54 イカルス星人ゆるキャラの謎

https://twitter.com/uvatmmtofFKigON/status/1466618245428178950?s=20

人間体の無表情で不気味な性格と対照的に、耳がパタパタしていて、動きも愛くるしいイカルス星人はかわいいですね。

 

コメント欄には、じわじわ寄って来るイカルス星人がテレビから出てきそうでこわかったとも書いてありましたな。

 

イカルス星人は、後のウルトラマンシリーズに再登場こそしませんが、人気は高く…というよりゆるキャラ的な扱いを受けて、セブンの後に放送された「ウルトラファイト」では耳がくたびれた、肌も謎に緑色のイカルス星人があらわれますね。

 

某お台場のテレビ局で放送されている散歩番組でも、なんかピット星人に告白したり…なんか、いじられキャラ化してしまっていますな…

耳がダンボで大きいくて…手をなぜかいつもパーにした状態なんで、なんか可愛くみえちゃうんですよね…

 

人気の高いイカルス星人…メトロン星人に続いて、また、ニュージェネウルトラマンにも出てきて欲しいですな。

ところで、キュートにセブンに突撃したところを…最期はセブンにアイスラッガーで攻撃をうけて爆発してましたな…なんで切断されていないんですかな?

 

ウルトラおやじさん、いい質問ですね!

 

その55 アイスラッガーは撮影…のための技?

まず有名な話らしいですが…なぜ「セブンスラッガー」ではなく「アイスラッガー」というと…もともとウルトラセブンは「ウルトラアイ」というタイトルだったからだそうですな。だけど、あれ?台本には「レッドマン」とありますな?

 

初期の台本には、台本の中にもセブンではなく「レッドマン」と書いてありますね。ウルトラセブンの名前の詳しい由来はリテイク版第1話の解説で詳しく語っていますが、「ウルトラアイ」の名残は変身アイテムだけでなく「アイスラッガー」まで残っているのは面白いですね。

 

アイスラッガーとは、セブンの頭の鶏冠が外れてスタッフがイライラして掘り投げたのをみた、別のスタッフが「それ使える!」というエピソードがよく言われていますな。

 

それが…本当の話か…あまり根拠となる証言が見当たらないのですが…じつはウルトラセブンのアイスラッガーは予算削減のものだったのです…

 

え?アイスラッガーって予算削減のためってどういうこと?

 

じつは、ウルトラセブンのエメリウム光線のように、光線のような専門用語で「光学合成」とよばれるビームの合成は、制作費のかなりのお金を食っていたそうです。

 

ええ?意外ですな!

 

なので、本当は放送一話につきビームは一発だけというルールでした。そのために、アイスラッガーのような物理攻撃が産み出されたとある監督がおっしゃっています。

 

でも、結局はアイスラッガーは、途中で光って怪獣を切断してますな。

 

結局、初期の予算削減の目的は達成できていないのですね。これには2つの説が考えられませんね…

 

なんか話が長くなりそうですな…

 

ひとつは実際にアイスラッガーをとばしてみて、技術的に特撮での表現が難しかったということです。

 

セブンが手を前に出してから、アイスラッガーがちょっと遅れて飛んでいると、いじのわるい事を言われたりするのですが…ピアノ線を使ってものを飛ばす操演では、アイスラッガーの再現が思ったより難しいかもしれませんね。

 

ピアノ線で飛ばすより…光のアニメーションの方が表現しやすかったのかもしれませんな。

 

気になるのは、平成セブンの中盤以降、アイスラッガーは手裏剣のように、くるくる回って飛ぶようになりました。これは、漫画版のウルトラセブンの中でよくあった表現なのですが、もともとは、くるくる回るアイスラッガーを表現したかったのかもしれませんね…ところが、アイスラッガーの主な使い方は、手裏剣のように相手に投げて切断する武器ではなかったのです。…

 

​​うわーウルトラセブンの常識の一つが覆りそうな話ですな…

 

その56 アイスラッガーは光線技だった?

もともと、アイスラッガーはエメリウム光線を発射する部分だったのです。

 

え?エメリウム光線って額のビームランプからではないのですかな?

 

初期の企画案ではアイスラッガーは宇宙ブーメランとして直接攻撃して倒す事ができ、倒した後は反転して自動的に頭に戻る機能はおまけだったのです。

 

なんと!?みんなが知っているアイスラッガーはおまけの姿なのですか??

 

「アイ・スラッガー」とは「彼の頭部につけている武器、光線エメリュームを出し、熱線、反磁力線等に変化させて敵を倒す」万能武器である初期企画設定があるのです。

 

じゃあ、セブンの頭にビームランプという部分があるのですかな?

 

セブンの頭のビームランプは、仏像のオデコの白毫を取り入れたといわれますが、そうではなくて、ウルトラセブンをデザインした成田亨さんは、初代マンがカラータイマー勝手に取り付けられた事に不愉快なおもいをしたので、セブンはあらかじめカラータイマーのような部分をつけていたのです。

 

結局、エメリウム光線をビームランプから発射するようになったのはデザインが先なのか…撮影の時に決まったのか…どちらですかな…

 

成田亨のセブンの原案をみると頭にアイスラッガーらしきもの…おでこに突起物があったり…卵が先か鶏が先か的な話ですね…

 

「ウルトラマンゼロ」がエメリウム光線にあたる技の名前が「エメリウムスラッガー」といいますな。

 

いいところに気づきましたね!女性のウルトラファンに人気の高い「ウルトラマンゼロ」…「ウルトラマンゼロ」は「ゼロ」という名前だけに、コアなファンをうならせる…初期設定の回収がはかられているのですよ。ゼロが青いのは、ほんとうは成田亨が、セブンのカラーを青色にしたいおもいがあった事を回収したとか…なかったとか…

 

ゼロの必殺技はアイスラッガーからビーム出てますな。ニュージェネのウルトラマンの話を聞くのは久々ですな…

 

あはは。話を戻すと、セブンのアイスラッガーが初期の戦闘で相手を切断しないのは、アイスラッガーが光線技である名残かもしれませんね。

 

その57 名俳優とアンヌポロリ事件…

人間体を演じる山本廉さん…初代マン「宇宙から来た暴れん坊」のキャラとは違って冷徹な印象に役者魂を感じますね。

 

山本さんについては詳しくは、前の動画でも語りましたね。最近、NHKで放送された「まぼろしの雪山」でウーにやられた猟師役で出演しているのを見つけて驚いたんですがな…

 

山本廉さんはウルトラマンシリーズには度々出演されていて、なんとウルトラQ第1話「ゴメスを倒せ!」から、工事現場の作業員として出演されて…ウルトラマンタロウでも「あぶない!嘘つき毒きのこ」マシュラの毒できのこになった少年の父親役で出演…タロウの名作回「燃えろ!ウルトラ6兄弟」にも出演しています。

 

セブンでは「零下140度の対決」にて、地球防衛軍基地の心臓部である原子炉の、機関長ムカイ班長として再出演していますな。

この回でアンヌは、四次元空間に迷い込んだモロボシダンを「ダン!どこにいるの?」「ダーン!?ダーン!??」ってずっと名前を呼ぶシーンがあるのですが…こうやってアンヌ役のひし美ゆり子さんにとって、所属事務所の大先輩の山本さんから「もっと悲しそうな発声をした方がいい」と演技指導を受けたそうです。ひし美ゆり子さんによれば、アンヌの声は地で演じていたそうで…

 

アンヌの独特の低い声が母性を感じる魅力的な雰囲気を出して、人気のひとつと言われていますな。

 

そんなアンヌですが…ショッキングな出来事が起きていました。じつは、撮影が行われた田園調布の屋敷のシャンデリアをアンヌが割ってしまうという事件が起こったのです。

 

え!?ウルトラガンの流れ弾でも当たったのですかな?

 

いえいえ、そんなシーンなかったでしょ!これは、有名なアンヌの撮影裏話で、差し入れに持ってきたみかんを2階のスタッフに投げたら、手元がくるってシャンデリアにガチャンと当たって…シャンデリアが欠けてしまったのです。

 

まさに、アンヌのみかんがポロリで、シャンデリアもポロリですな。

 

おっさん…その言い方やめて。弁償しようにも外国製のものだったらしく…なかなかアンヌにとって苦い思い出となったみたいですね。

 

というところで…今回の動画は終わりですかな?

 

次回は第11話「魔の山に飛べ」では…なぜか登場していないアンヌのお話をして参りたいと思います。

 

ついに?あの話を語るのですか?

 

さて、どうでしょうね?