※YouTubeでしか語っていない部分があります



あらすじ
アマギとフルハシは匿名を受け、地球防衛軍の最新鋭の原子力船マックス号に乗船する。 マックス号の任務は、謎の船舶の消失事件の調査であった。
ところが船は、謎の光に包まれ、そのまま宇宙に放り出されてしまう。
その頃、ダンは謎の女にウルトラアイを盗まれ、ゴドラ星人に捉えられてしまう…
基地の原子炉には爆弾がしかけられ、絶体絶命のピンチ!
その20 モロボシダンはエスパー少年だった?
遡ること、ウルトラセブンの最も初期の企画は、物語の主役は「ウルトラ警備隊」でした。
ちょくちょくダンの
リアクションが
おかしいのは
初期設定の
諸星弾少年で
シナリオ書いてるからだと
思われます。#ウルトラセブン pic.twitter.com/uEy86jGbCd— 坂道岩間 (@2015yk6827) May 16, 2021

円谷プロとしては、米のアポロ計画に代表される宇宙開発競争による宇宙ブーム真っ只中、また、ウルトラQが視聴率で敗北した「サンダーバード」に報いる、宇宙ステーションを舞台とした魅力的なメカを主役とした物語「ウルトラ警備隊」を初代マンの後続番組として考えていました。

つまり、ウルトラマンのような、巨大なヒーローに変身する主人公は存在しなかったのです。ところが、例の初代マン終了後にセブンが始まるまで、東映が「キャプテンウルトラ」という宇宙を舞台にした同じような物語をしました。
ところで、第4話内には初期の「ウルトラ警備隊」のプランにあった、1人乗りのロケットや宇宙遊泳で脱出するなど、円谷が当初特撮の見どころとして考えていた要素が名残としてあります。
ゴドラ星人のビームが貫通しても割れない窓のロケットに、顎丸出しの宇宙遊泳のシーンですね。
まあ、気になる部分が多にしてある事は、前回の解説にて、ツッコませてもらいましたので、あえて多くは語りませんが…
話を戻します。「キャプテンウルトラ」にも、じつはスーパーヒーロー的なキャラがいたので、続く「ウルトラセブン」にもヒーローの登場が不可欠となりました。そこで、主人公諸星弾が誕生したのでした。
ウルトラセブンよりはじめに、モロボシダンが誕生したのですな?しかも、漢字なんだ。
はい。諸星弾は巨大化する特殊能力をもつ少年として誕生しました。地球人と宇宙人の混血児であるエスパーという設定でした。
80年代のアキラとか少年マンガを先取りしたような設定ですな。
モロボシダンがセブンに変身せずに透視やテレパシーの能力が使えるのはエスパーの名残でしょうか。混血児という設定は後のミラーマンに受け継がれ、19歳の弾少年の正体は「M78星雲人で、宇宙軌道図作成委員317号で、恒点観測の為地球へ派遣されている」の宇宙人という事になります。
ウルトラセブンの誕生ですな。モロボシダンは19歳で少年とされているのですな。
番組の企画が進むにつれて…弾少年は「ウルトラ警備隊」の準隊員でポインターのドライバー運転手という職業になります。
その21 モロボシダン無免許運転疑惑…
昭和42年8月10日に撮影した”マックス号応答せよ”の時点でダンは免許を持っていなかったそうですが(出所:ダンとアンヌの対談本)、同8月25日撮影の”消された時間”では免許あり。
つまりダンはこの期間中に免許取得?🤔それにしてもハンドルが近過ぎ😵#ウルトラセブン pic.twitter.com/LrgvTqgBff
— ザ・フロッグ・ケロ太 (@E13v4bR3KAW0VKu) May 2, 2021
え、モロボシダンは、正規採用じゃないの?いまでいう非正規雇用というやつですな?
本当は、準隊員で正規隊員に出世していくサクセスストーリーを狙っていたらしいですが…な、なんと、モロボシダンは運転免許を持っていなかったのです。

いえいえ、モロボシダンの運転シーンでは、後ろからスタッフたちが「せーのっ」と車を押し出して、ダンはブレーキだけかけていたので、コンプラ的に問題ありません。

アンヌも免許がなくて同じ方法で撮影したとか…セブン以外のヒーロー番組でも、劇中でバイクや車を運転する主人公が、なぜか免許を持っていない事はあるあるだったようですね。
少年諸星弾は、森次晃嗣さんが運転免許を持っていない事で、幻となってしまったのですな。
その22 可愛いモロボシダンのリアクションは…
とはいえ、幻となったとはいえ少年諸星弾の設定の名残りが、セブンの初期の頃にいくつか見られます。
モロボシダンが無邪気にはしゃいでキュンッとしますな。
他にも第6話の「ダーク・ゾーン」にて、キリヤマからペガッサ都市を救援する朗報を聞いたダンのリアクションも…
「ウルトラ警備隊は、ペガッサ市に危険を通告し、市民の脱出を援助 安全に地球まで誘導せよ!」
「わぁ!」
「わぁ!」のダンかわいい
すこ#ウルトラセブン#NHKBS4K pic.twitter.com/uNcoSawZWK— 仙台の剣ドロス (@LEOL771974) October 13, 2020
「わぁっ~い!」
子供っぽい無邪気によろこぶダンは少年諸星弾の名残りなのですかな?
企画にある少年諸星弾の性格は、普段はひょうきんな3枚目だが、いざという時は超能力を使って事件を解き明かすシリアスな一面をもつイメージとなっていました。一方、ダンを演じる森次晃嗣さんは、「宇宙人」ってどう演技したらいいのか試行錯誤したとふり返っておられます。
言われてみれば、初代マンのハヤタと違って、ダンは純度100%のM78星雲人ですしな。役者としても、なかなか経験できる事でもないですからね。
個人的には、アンヌがダンにお守りを渡すシーンで、ダンはリアクション無しで、アンヌが剥れる、ダンの鈍感さが宇宙人っぽいですけどね。
そのお守りと絆創膏が目印となって、ニセのモロボシダンにアンヌが気づくわけですな。
ちなみに、演じているアンヌ事ひし美ゆり子さんは、そんな意味とは知らず演じられていたそうです…

「ねぇ、何があったの?」
「だって、自分でやったことでしょ?」
「これでよしと。もう、絶対乱暴しちゃ、いやよ」1967年(昭和42年)10月22日(日)。
ウルトラセブン第4話「マックス号応答せよ」放映。(視聴率32.5%)#ウルトラセブン55周年#マックス号応答せよ#アンヌ隊員 pic.twitter.com/SV4BAZhvbz— 恒点観測員340号 (@UltraSeven_340) October 22, 2022
いえいえ、フルハシを演じる毒蝮三太夫さんも仰っていますが、予算を抑えるために撮影は2つの作品を同時並行で撮るので、映像が完成するまで、喋っている相手がいいもんか悪もんかわかっていない事はよくあったそうですよ。
「まあ、最後まで、台本を読めばわかるんだけど」と言っていますけどね…
円谷プロの撮影後の打ち上げ楽しかったみたいですな
お酒が原因で撮影に支障が出る的な話はセブンでは、周知の事実なのでそのうち語りますね。第4話の大月温泉でのロケでは監督であるみっちゃんが率先して宴会芸で盛り上がったそうですね。
え、みっちゃんって誰?
おやじさん…知らないんですか?
その23 「みっちゃん」って誰?
アンヌ隊員こと、ひし美ゆり子さんと『ウルトラ警備隊 西へ』や『史上最大の侵略』などの満田かずほ監督が、弊社主催の聖地巡礼ツアーとトークショーで神戸にお越しいただいて今日でちょうど10年です。またぜひ来ていただきたいです! pic.twitter.com/PkjDBx8NK3
— いまいち萌えない娘11周年Vtuberデビュー (@kobeimamoe) March 7, 2022
よく、オタク系の有名人が「ウルトラセブンの世界観は実相寺昭雄によって作られた〜!」と言われたりしますが…実相寺ファンには申し訳けありませんが、大きな間違いなのです。
理由は2つあります。1つは、セブンの頃に円谷英二は、東宝の映画会社から円谷プロを独立したばかりで、撮影スタッフを
円谷プロのスタッフでまかないたかったので、TBS社員であった実相寺を主力に置かなかったはずで、しかも12話以降は京都撮影所に出向していたので、番組終盤まで実相寺昭雄は制作から遠のいていました。

それによって、実相寺の得意な陰影の強い演出が、セブン全体に影響を与えたと思われがちですね…しかし、セブンの監督達は、最後の完成映像を映画スクリーンで観ていたので、自然と陰影の強い映像になっていたのです。
実相寺昭雄の名前は世に広く知られているぶん、印象が強いのでしょうな。
セブンを語るうえでは、実相寺監督よりも、メイン監督をつとめた「みっちゃん」の存在は欠かせません。

「みっちゃん」とは、ウルトラセブンのメイン監督、満田かずほさんの愛称です。30代の若さで、共演者から親しみをこめて「みっちゃん」と呼ばれ、以来、コアなファンの間でも「みっちゃん」と呼ばれるようになりました。この満田かずほ監督は、セブンで最も多く作品を手がけ、伝説ともいえるセブンの最終回の前後編監督をつとめています。
ウルトラのインタビューでよく顔を見たことがあります。この人がみっちゃん…
「ウルトラQ」で監督デビューして以来、初代マン、セブンだけでなく…「ウルトラマンティガ」の企画・監督にも名を連ねるなど、ウルトラマンシリーズを長く支えてきた、伝説的監督なのです。
人気投票一位を獲得したティガにも関わっているのは驚きですな。
有名な最終回のアンヌとダンの劇的な別れのシーン…これが名シーンとなったのは、満田監督がアンヌとダンの淡い純愛ストーリーを、ねばり強く撮り続けた成果だと言われます。
そこまで聞くと、ウルトラセブンを語るうえでは、外せない監督ですな。
とはいえ…若いがゆえに、会社から金をかけるなと言われたり、無茶を言われた結果なのか、満田監督の作中には、ツッコミどころもあったりと、ファンにはこれはご愛嬌といったところで、まあ、あるわけなんですが…
