【ウルトラセブン|第31話|悪魔の住む花】〜衝撃!16歳でスーツアクター!?〜

※YouTubeでしか語っていない部分があります

 

ねえねえ、ウルトラおやじさん…好きな女優さんって誰かいますか?

 

そうですな…ひし美ゆり子姫を置いて他にないですな。

 

さて、第31話「悪魔の住む花」には、国民的に人気女優松坂慶子が子役時代に出演した回として、お父さん達にはそれだけでも有名回なのですが…成田亨の退社と予算不足で絶体絶命な特撮班が…若い天才池谷仙克の手によりハリウッド顔負けの映像を作り上げた…セブン後半の奇跡の話について語ります。

 

あらすじ

美しい銀色をした不思議な花弁に少女カオリは、興味を引かれて口づけしてしまい、意識を失ってしまった。

病院に収容されたカオリは夢遊病のように、意識を失ったまま人間の血を求めさまよう。

調べると宇宙細菌ダリーに感染していた。

セブンは決死の覚悟で、ミクロ化して人間の体内に挑む。

 

その150 金がない人がいない

予算不足もいよいよ深刻化して…また、特撮担当するスタッフたちは不眠不休で、まさにギリギリの状態でした。

 

宇宙細菌だけに金がなくてダリーってね…

 

さらに、メカから宇宙人まで、ウルトラセブンの全てのデザインを手がけていた成田亨が突然の退社というショッキングな出来事が起きました。

 

いよいよ特撮班は絶体絶命のピンチをむかえたのですな…

 

ところが、そこを見事に本31話、次回の33話「侵略する死者たち」は、予算不足を逆手にそれまでになかった、特撮作品としての名作が誕生します。

 

本31話は人間の体内という…これまでウルトラでは無かったシチュエーションを、見事にセットで再現することができていますな。

 

成田亨の跡を引き継いだ、池谷仙克は20代の若手でしたが、成田亨がトータルデザインした、ウルトラセブンの世界観を崩さず、後半のセブンの登場キャラクターなどのデザインをうまく引き継いでいますね

 

最初に手がけた宇宙細菌ダリーのデザインは、全身ピンクに赤い目…スタイリッシュなデザインですな。

 

クレイジーゴン、ガッツ星人、パンドンなど、池谷仙克のデザインしたキャラクターは、のちのウルトラマンシリーズに幾度も再登場する程、人気が高いですね。ウルトラホークの造形や発射台のセットの造形などのアシスタントをしていたので、成田亨の一番近くにいた人物だったからかもしれませんね。

ひし美ゆり子さんによれば、池谷さんはイケメンで、女性スタッフにも人気があったようですな。

 

人間の体内のセットも、はぎれや風船に、シャボン玉…いかに金をかけずに、人間の体内を表現できるかという…難しい課題を乗り越えつつ、ここまでのクオリティはすごいと思います。

 

お金をかけずに、これだけの異色作をつくるのは難しくないですかな?

 

ウルトラセブンの撮影前には、円谷プロよりスタッフ達には、初代マン以前より1話につき200万円ちかい赤字を出していた事から、予算管理のために「撮影注意事項」が出されていました。

 

そんなマニュアルまで出ていたのですな。

 

詳しくは「侵略する死者たち」にて語ってまいりたいと思います。とにかく、今回のようにロケ先を関東近郊にするなど、ドラマ部分も、なるべくお金のかからないように感じます。

 

その151 砂漠と花畑は同じロケ先だった?

ウルトラセブンのドラマ部分は、「2本撮り」と言って、2本同時並行で撮影していました。

なので、この悪魔の住む花も、同じく第30「栄光誰れのために」と同じロケ地でした。

 

30話の「栄光誰れのために」の野戦シーンは鳥取砂丘ではないのですか?

ああいった、砂地をみると「鳥取砂丘」ロケを想像しますが…星が原野戦場のロケ地となった砂地は、じつは館山にある「サンドスキー場」という砂丘を活かしたスキー場だったのです。

 

現在は緑化が進んでしまって、砂地の面積が減少してしまっていますな…

 

「悪魔の住む花」のカオリが不思議な花を拾ったのは、館山の白浜で撮影されました。

 

オレンジ色のポピーが咲き乱れていてきれいですな。

30話は花畑や遊園地、ピンク色のひとの体内など、美しく色彩豊かなシーンが多く移りますね。

 

リアタイ視聴者のコメントによれば、ガリガリの白黒映像がまだ多かったと聞いているので、予算が少ないカラー映像に対する職人魂を感じますな。

 

その152 伝説の女優「松坂慶子」ゲスト出演

おそらく、このチャンネルをご覧になられているお父さん世代の方は、お馴染みの女優さんだと思いますが…

 

いよいよ女優「松坂慶子」とは何者?というウルトラファンも増えてきたので、少し紹介しておきますかな?

 

とはいえ、私も全盛期の松坂慶子さんは知らないので、あまり偉そうな事は言えませんが、そんな私でもテレビドラマやCMでよく観た、国民的女優さんです。

 

松坂慶子の代表曲 1979年の「愛の水中花」は、けっこうCMなんかでも聞くことがありますな。

ジャケット写真のセクシーなバニーガール姿が印象に強く残る、世の男性陣のハートをつかむ、人気女優として長ーい人気を誇る、伝説的な女優さんですね。出演していた「蒲田行進曲」は、いまだに知られていますね。

 

その153 まさにミクロの決死圏⁉︎16歳のスーツアクター

https://youtu.be/efdSjALggDs

 

「悪魔の住む花」を語られる時、よく映画「ミクロの決死圏」というアメリカのSF映画のオマージュとして語られますな…

 

どうやら、1966年とセブン放映の前年にヒットした、有名なSF作品なのですが、この主演女優のラクエルさんのピッチピッチのウェットスーツは、SFだけでなくセクシーな幅広い要素をねらっていたとか…

 

アンヌの制服はもしかして、オマージュでわざと小さめに作られていたのですかな?

 

どうでしょうね?さて、「ミクロの決死圏」の物語は、物質を1時間限定でミクロ化できる未来、人間と原子力潜水艦をミクロ化して体のなかに入れて、病気を治療するという物語…セブンと同じ様に人間の免疫力や体のつくりから、不測の事態に悪戦苦闘するというストーリーです…

 

なるほど、かなり影響受けていますな

 

脚本を書いた上原正三自身が認めていますからね。さて、今回の敵である宇宙細菌ダリーですが…何か気づいたことありませんか?

 

え?天井にどうやってくっついているんでしょう?

 

そうですよね、天井に引っ付いたり、小回りが効いたり、ウルトラセブンと並ぶとかなり体の大きさが小さいのがわかります。じつは、ダリーのスーツアクターは第7話にて、キュラソ星人に襲われたこの16歳の子役が入っていたのでした。

子役がスーツアクターをつとめることがあったのですな?

 

25話「零下140度の対決」にてガンダーのスーツアクターも同じ山村哲夫少年が入っていたそうです。

 

いまの時代だったらできるのかな…?

 

昭和だからできた事かもしれませんね…

 

まさにミクロの決死圏ですな。

 

ということで今回の動画は以上です。次回は漂流する惑星は、NG版となった幻の「マンダスの島」のシナリオから、メカニズム怪獣リッガーを送り込んできた宇宙人の謎について語って参りますのでお楽しみに!