【ウルトラセブン|第28話|700キロを突っ走れ!】恐竜戦車に激怒!成田亨の辞めた原因とは?

※YouTubeでしか語っていない部分があります

ねえねえ、ウルトラおやじさん…ダンとアンヌはどんな関係かわかりますか?
いきなりですな…恋人ではないのですか?
出演者や監督も言っていますが、友人以上恋人未満の関係…らしいですよ?とはいえ、シリーズ後半になるとデートシーンにはじまり、隊員たち公認の恋人同士に思えるカットが増えてきました。
第28話は2人の初デートシーンですかな?
ダンとアンヌのデートの秘密は後半にて解き明かしていきますね。

 

あらすじ

高性能火薬スパイナーが完成。しかし、何者かに狙われてしまい、地下実験場までの輸送をどうするか問題となっていた。

モロボシダンのアイデアにより、ラリー大会に紛れて輸送する事となった。

ところが、襲撃を受けてスパイナーを積んだ車に、爆発物が仕掛けられる。

その139 恐竜戦車と成田亨退社

初代ウルトラマンのデザインを担い、国民的ヒーローの誕生に貢献する偉大な功績を残した成田亨氏。

ウルトラセブンではウルトラホークの超兵器から隊員服…そしてウルトラセブン!彼がセブンの画面に映るすべての世界観を考えたという事は以前解説した通りです。

ウルトラマンの産みの親である成田亨さんは、その後の人生に大変な苦労があったんですよね

ウルトラマンの著作権をめぐる問題は、あえて詳しくは触れません。しかし、ウルトラセブンの世界を背負っていた成田亨さんが、この2話後、第29話「栄光は誰れのために」のプラチク星人でのデザインを最後に、セブンの撮影途中で退社してしまった事を深堀していきます。

※詳しくはYouTubeにて語っています!

成田亨さんには怪獣の怪獣デザインには3つのポリシーがあったそうですな。

ウルトラセブンの作品強化として、新規メカや魅力ある敵の登場をもとめられていた一方で、困窮してきた会社としては、他の作品から使い回せるものにしたく…「海底基地を追え」のアイアンロックスのように、別作品で使われていた戦艦大和を怪獣とする事態が起こりました。

当然、成田亨さんは怒るでしょうな。

ここからはネット上での憶測ですが…恐竜戦車も戦車の部分を他作品から流用することで、あまりコストのかからない怪獣をのぞまれていたようでしたが、成田亨氏の怪獣思想とはあまりにもかけ離れた、ただ着ぐるみをキャタピラに載せたデザインとなりました。成田はホバークラフトの陸上戦車のイメージをデザインしていました。

これには大きな不満があったでしょうな。

成田亨の退社を決定的にしてしまった原因は何かわかりませんが、後半以降のセブンのデザインは池谷仙克に任せて、円谷を遠ざかります。本業は芸術家なので、その後は太陽の塔内部にある生命の塔などの製作に携わっているのは知る人ぞ知る話しです。

巷で話題の太郎マンは、じつは成田イズムがあったりするかもしれないですな。

 

その140 伝説のスーツアクター古谷敏

みなさんご存知の通り、古谷敏さんは初代ウルトラマンのスーツアクターを務めていました。初代ウルトラマンは、初期はアクションに対応したスーツとして造られておらず、スタッフも試行錯誤だったので、ウルトラマンのスーツを着ていた古谷敏さん自身は、命懸けの撮影だった事が近年広く知られてきました。

水中戦ではマスクに水が入って溺れかけたり、敵の固い電飾ケースをチョップしてあまりの激痛に悶えたり…エピソードがあったそうですな。

ウルトラマン撮影での苦労話について詳しくは、古谷敏さんは、YouTubeにて語っているので、「古谷敏の夢道TV」を観ていただければと思います。

古谷さんがウルトラセブンに出演することになった切欠は、初代マンを観ていた子供たちなどの視聴者の投書によるものだと言われます。出演者とならんで、サインを求められる人気があったそうです。

ウルトラセブン出演は、初代マンで顔の見えなかった古谷さんを出してほしいという、ファンによる強い後押しされ、古谷さんを隊員としてレギュラー出演させようと会社が動いたようです。

前代未聞だったようですな。

これが番組製作直前の出来事だったからなのか、ウルトラマンに引き続き、造形を担当することになった成田亨氏は知らず、ウルトラセブンのスーツの寸法を古谷敏氏にあわせていたそうです。

古谷さんのウルトラマンは、高身長で手足が長くて、美しかったですな。作り手としては、同じ様に入ってもらいたいですな。

成田亨はかなり不満だったそうですが、古谷さんを応援するため制服のデザインにこだわったとか。ところで、意外な話しが…アクション俳優出身のセブンのスーツアクターの上西弘次さんと比べて、古谷敏さんはアクションを得意とする俳優ではなかったのです。

ウルトラマンで何十匹の怪獣と格闘して、倒してきたイメージがあるから意外ですな。アマギは戦闘が得意というより、分析やメカの開発が得意な、基地に引きこもりがちなキャラ設定は、そこに由来するかもしれませんな。

隊員のポジションについては事前に聞かれたように、古谷さんご本人が言っておられますね。さらに、アマギを人間味を感じられる、どこか臆病なキャラのイメージがつけたのは、第18話「空間x脱出」でした。

スカイダイビングに青ざめて、飛び降りるときも気が抜けるような声でしたな。

今回の「700キロを突っ走れ!」は、アマギの臆病を鍛えようとしたキリヤマの思いやりとして、オチがえがかれますが…じつは上原正三の書いた完成台本では、あまぎではなくフルハシだったのです。

え…すると物語の意味がかなり変わってきますな。

なんですが、ラリーシーンの撮影が予算や場所の問題からか、完成した台本を撮影前に大きく変更する「大改稿問題」がおきて、誰が言ったのか定かではないのですが、アマギを主役回とするようなストーリーに路線変更がはかられるそうです。

という事は、この物語はアマギのために書かれたわけではないのですか?

 

その141 レギュラー隊員のために書いたのは●●?

スタッフの経験をもとにドラマづくりが行われ、今回は上原正三が日本に本土返還される以前の沖縄での経験がもとになっているとおっしゃられます。

詳しくはYouTubeにて語っています!

けっこう、上原脚本には沖縄問題がベースとなっている事を、異論を唱える方が多いですけどな。

上原脚本と沖縄問題については、上原ご自身がインタビューで答えているので確かでしょう。

レギュラー隊員の主役回は、それぞれの隊員たちのキャラクターを深く知れる、ファンには人気の高い物語が多いのですが…どちらかというと、スタッフの経験をドラマ化したい思いが先行して、結果として登場したキャラの味が引き立つようになっていったようです。

ちなみに、新型爆弾スパイナーの名前の由来なのですが…上原正三の傑作とされ、幻の未使用シナリオとなってしまった「300年間の復讐」は、元々「スパイナー」というタイトルの脚本でした。

タイトルは、ヤマオカ長官を狙撃しようとしたトーク星人のストーリーからきていて、「スナイパー」の誤表記から「スパイナー」が生まれたといわれます。

帰ってきたウルトラマン第6話「決戦!怪獣対MAT」で同じヤマオカ長官じゃない…岸田長官が東京を巻き添えにグドンとツインテールを吹っ飛ばすために使おうとした、爆弾もスパイナーでしたな。

ウルトラセブンと世界がつながっている!…と思いたいところですが…おそらく、同じ上原正三が書いていたからでしょうね。佐々木守がスペリウム爆弾を「勇気ある戦い」でも用いたように、作家が同じだと、あえて同じ武器の名前を使う事がウルトラあるあるのようですね。

 

その142 ダンとアンヌのデートの秘密…

 

物語はダンとアンヌが映画館デートをしている場面からはじまります。

 

巨大煎餅をバリバリ食べながら、前に座っているオヤジに睨まれるシュールなシーンですな。

この巨大な煎餅は浅草の仲見世通りに行ってスタッフが買ってきたそうです。2人が映画を観ている場所は円谷の試写室です。

夢が壊れるのでやめましょう。

こりゃしっけい。これまた、巨大わたあめを食べながら、コーヒーカップでくるくる回ると遊園地の場所は、「セブン暗殺計画」にも出てくる…同じ向ヶ丘遊園地だそうです。

アベックばっかりの遊園地にソガとフルハシが哀愁感がいい味出してましたな。
また、それについては、のちのち語りましょう。

ちなみに、これは内緒の話なんですが…アンヌもダンもコーヒーカップみたいに目の回る乗り物はダメだそうです

ガッツ星人に捕まったらアウトだな。

冗談はさておき、こうしたシリーズ後半に差し込まれるダンとアンヌのデートシーンは、満田かずほによる、あの伝説のウルトラセブン最終回にむけての、壮大な伏線となってくるのです。

さて次回は「ひとりぼっちの地球人」ですね。ウルトラと天皇陛下の秘密のエピソードや、ウルトラシリーズの●●橋本洋二プロデュサーとは何者か語って参りたいと思います。お楽しみに!