【ウルトラセブン|第24話|北へ還れ!】フルハシ母のモデルは毒蝮三太夫ではないとは?

※詳しくはYouTubeにて語っています!

ねえねえ、ウルトラおやじさん…最近感動した話ってありますか?
「ウルトラマンオーブ」の「ニセモノのブルース」はあらすじを聞くだけで涙がでましたな。

なるほど。時代によって、また年齢や世代で違った感動がありますよね。

ウルトラセブンの第24話「北へ還れ!」は、ハードSF路線の中でも異色の母と子の感動をえがいた作品です。歳を重ねるにつれ味わいが深くなる大人の物語ですな。

「長生きしろよババア」と中高年に愛されるタレント毒蝮三太夫さんのウルトラセブンでの主役回であり、多くのファンに愛される感動の第24話…名作に隠された裏話がたくさんあります。

 

あらすじ

北極上空を飛行中の地球防衛軍の飛行機が、民間機と衝突をする大事件が起きてしまった。

調査にむかうフルハシのホーク3号の機体にも同様に異変が起こり、旅客機と衝突の危機をむかえていた。

フルハシは本部の指示に従い、自爆して脱出を試みるも、脱出不能となる。

一方その頃、息子の「盛(シゲル)」を実家に連れ戻すためにやってきたフルハシの母。

爆発まで残り120秒の中で、母と子は何を思い、どんな話をするのか…

 

その118 ウルトラセブンVSウインダムにまつわる疑惑

アイアンロックスに続いて、今回もカナン星人という宇宙人が黒幕として登場しながら、残念ながら巨大化してセブンと戦闘することはない、子供目線ではどちらかというと●●な回です。

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今回の回は、満田かずほ監督・脚本市川森一と共に若手…第9話同様に、またしても会社から金をかけるなと言われたのでしょうか?

【ウルトラセブン|第9話|アンドロイド0指令】「ふたりのウルトラマン」上原正三デビュー作でダンの暴行事件とは?

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苦肉の策として、本来味方であるはずのウインダムが、モロボシダンに襲いかかるという展開となります。

ところで、ウインダムは額にビームランプがついて、トサカをもっているのでシルエットはウルトラ族に似ていますが、由来があったりするのですかな?

設定によれば、M78星雲にあるメタル星出身の金属性の皮膚と電子頭脳をもった生物とされています。しかし、ウルトラセブン以外のウルトラマンシリーズでは、アタッチメントが装着されたり、コクピットがついて人間が操縦できるなど、ロボットキャラとしてのイメージがもたれやすいですが

…もともと生物なのですな。

さて、セブン第24話では、ウインダムはカナン星人のロケットからビームが額のランプに直撃したことで、電子頭脳が狂ってしまい、モロボシダンに襲いかかります。

シリアスなドラマ本編と対照的に、くるくる周りすぎて目を回して倒れたり、ウルトラセブンに叱られるという…お茶目なウインダムにキュンとしてしまうコメディ展開ですな。

ウルトラセブンを代表するカプセル怪獣。後に国民的アニメとなる「ポケットモンスター」のモデルともなった、画期的なアイデアでした…ところが、振り返って第3話にミクラスが登場して20話近くも間が空いてしまいました。

これについては、監督たちが口々にある事を言っているのですが…それについては、第39話「セブン暗殺計画」にて、ウインダムの悲劇的な結末と真相を語ってまいりたいと思います。

 

その119 ウルトラホーク操縦の謎

ウルトラホークの操縦席は常設セットでした。飛行機の機体が旋回したり傾いたりする時、コクピットが傾くのは下にタイヤが置いてあってスタッフの指示でコクピットが傾くようになっていたそうです。

しかし、夏は暑くて、前作「ウルトラマン」のビートルでは衣装を下半分着てない状態で、撮影に臨む事もあったくらいだったそうですな。

さて、ウルトラホーク3号にはハンドル式の操縦桿ではなく、速度を調節するギアのようなものだけがみられます。

発進や着陸時の操縦はボタンやレバーを上げ下げによるものだけなので、これは仮説になりますが、基本的には自動操縦だったのでしょうか?

衝突寸前の航空機のコクピット内の再現に力を入れているので、円谷英二なのでおそらくは、しっかりとした設定があったと思われますが…

 

その120 フルハシ母ではない?

 

「北へ還れ」はハードSF路線のウルトラセブンでは異色の、家族愛を描いた、感動のドラマですな。

カナン星人のオーロラ光線を受けてコントロール不能となったホーク3号は、民間の飛行機に激突を避けるために、自爆装置を起動した。フルハシは脱出を試みるも爆発まで残り120秒…

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フルハシの母がマイク越しに「シゲル」と声をかけられ、「こちら、シゲル…」とのやりとりは歳を重ねるにつれて、熱い思いがわいてきますな。

フルハシの母を演じる市川春代さんは、戦前から国民的な人気を誇る歴史的有名な女優だったそうです。

毒蝮三太夫さんにとって市川晴代さんの母のイメージと、自分の母親はちがうという事を毒蝮さんご本人が語っておられます。

先日は、徹子の部屋にて、毒蝮さんは戦争体験とお母様との戦争体験を語っておられましたな。

フルハシ・シゲルの母のモデルとなった人物は監督満田かずほの母親なのです。本作の脚本は市川森一が執筆しておりますが、監督満田かずほの思い入れが強く込められた作品であります。

フルハシ母のモデルは、映像関係の仕事を理解して応援してくれた満田かずほ監督の母であることを監督ご自身が語っておられます。

フルハシのホーク3号爆発時刻が迫るなか、母子ともに笑う名シーンは、満田監督がはじめて監督になった事を母に告げた時、電話口で笑いあった事を思い出して、演出をつけたそうです。

 

 

その121 フルハシの名前「古橋盛」はじつは…

第24話の名シーンは、現場でフルハシの母を演じる市川晴代さんが、通信機で自分の子どもに名前を「シゲル…」と呼びかけるシーン。

じつは、台本には名前が書いてなかったので、照明技師の「新井盛」から名前をいただいて、「古橋盛」という名前が決まったそうです。

満田かずほは、ウルトラ警備隊員の隊員は、円谷プロのスタッフと同様に、家族の理解がないとやっていけない仕事であったことや、満田監督こと、みっちゃん自信も母親の理解があって円谷プロの仕事ができた。

そこで、満田監督は、母親を出して妹をだして市川森一に隊員のファミリー感を出したいと脚本の市川森一に依頼したそうです。

個人的には、この掛け合いが長らくファンに愛されるのは、満田かずほ監督が自身の経験から、誰しもが経験したであろう家族愛に重なって感動を産んだからでしょう。

さすがはみっちゃんといったところでしょうか?

詳しくは、毒蝮三太夫さんのYouTubeチャンネル「マムチャンネル」にて、満田かずほと対談されていますので、ぜひご視聴してみてください。

 

その122 じつは映ってるすべては●●だった!

冒頭に、帰郷したフルハシが降り立った故郷北海道の駅は、雪も深く、看板には「幌別(ほろべつ)」という駅名が出ていました。実際の撮影は北海道ではなく、長野県の八ヶ岳にある「野辺山駅」で撮られました。

日本で最高地点の小海線が走る駅で有名だったことや当時はまだ雪がよく積もりやすかったことや、東京からまだ行きやすかったこともあったからですかな?

駅を降りるシーンでは、エキストラではなく実際の乗客と一緒に撮影したそうです。看板に「幌別」という存在しない駅名が書かれていたことから、「降り間違えた!?」と慌てて列車に戻る方もおられたとか…。

よく観たら映っているかもしれませんな?

フルハシの母が宿泊したホテルは、ウルトラ警備隊基地の近くのホテルではなく、謎のスイス風のヨーデルの歌が聞こえる喫茶店は、野辺山のホテルの喫茶ルームだったそうです。


ちなみに、軽井沢の清里という事も言われますな…

また、これはよく話題になって有名な話ですが、フルハシの母がホテルの一室で一瞬テレビで相撲中継が映った時に、「大鳳と柏戸の大一番」のテレビのアナウンサーの声が響きます

高度経済成長にあたる昭和の子供たちが大好きものとして「巨人・大鳳・卵焼き」よく言われたな。

最高の取り組みがたまたまテレビで中継されている!?と言われたりするのですが、じつは吹き替えであって、中継されている中継は大鳳ではなく、何場所かわからないというオチだそうです…

さて、今回はフルハシ隊員の名前が「古橋盛」という名であったという事を語ったわけですが、主役である毒蝮三太夫が、ウルトラマン、ウルトラセブンと…石井伊吉という名前になっていたかまでは、語れませんでしたが、後の第41話「水中からの挑戦」にて、例の有名な「カッパの話」を語る際に、話をしていこうかと思います。

それは、楽しみですな…