※詳しくはYouTubeにて語っています!



ホラー要素の強い一方で、モロボシダンがブラコ星人の宇宙船団に無理矢理突っ込んで、自爆するように変身したり、変身してすぐに、ブラコ星人の宇宙船団にウルトラセブン捕まってしまったりと散々だったわけだったり
ここでまた、キリヤマ隊長がある疑惑を感じさせる、ウルトラセブンの暴露をしちゃったり…と気になるところが多い回ですな。
じつは、理由があることがわかったので、ブラコ星人にまつわる裏話をかたってまいりたいと思います。
あらすじ
誕生日パーティーの途中、失踪してしまったアンヌの友人ルリ子。
浜辺で発見されたルリ子の体には、奇妙な赤い胞子が植えつけられていた。赤い胞子は女性ホルモンに反応して成長するドラコ星人のエサであった。
アンヌも襲われ、残り15時間で息絶えてしまうと告げられる。
治療できる物質は土星にあり、ホーク2号でどんなに急いでも3日はかかってしまう危機的状況に…どうする?
その110 誕生日パーティーとアンヌ誕生秘話
物語はウエディングケーキのような巨大なケーキを目の前に、主役のアンヌの友人「ルリ子」のお誕生日ソングからはじまります。
このアメリカ的なパーティーからはじまる感じは、時代を感じさせますな。
おそらく、欧米の作品に強く影響を受けていたからでしょうね。ところで、誕生日パーティーとアンヌには、ある秘密のエピソードがあるのです。
アンヌの秘密ですと?
話は、ウルトラセブン放送前まで戻るのですが…
友里アンヌ隊員を演じる役者のひし美ゆり子さんは、当初決まっていた方が役を降りられる事で、急遽代わりに演じる事が決まったのは、第1話の解説にて語った通りです。
その話には続きがあるのですか?
そんな状況もあって、オーデションを受けたひし美ゆり子さは、まさか自分が「ウルトラセブン」のヒロインを演じるとは思わず、決まった事を知らされた時、家を留守にして、友人の誕生日パーティーに参加していたというエピソードがあるのです。
なるほど、このシーンは思わず連想してしまいますな。
このチャンネルでは、参考資料にさせていただいており、ひし美ゆり子さんにまつわるエピソードは、詳しくはこちらの書籍をご覧いただければと思います。
その111 やっぱり!隊長ダンの正体知って…?
ブラコ星人に襲われて瀕死の状態のアンヌを救うことができるのか?物語はクライマックスにかけて、盛り上がってくるのですが…

モノローグの後に、モロボシ・ダンは、仲間たちの悲痛な叫びの中、ホーク3号で宇宙船団に特攻していくように突っ込んでいき…
見事に撃墜されてしまいます。その後セブンに変身して現れるわけですが…

変身のために特攻したと思われても仕方がない感じがしますが…変身してからもブラコ星人の宇宙船団に包囲されてしまうウルトラセブン

思う事がいろいろあるわけですが…これには実は理由があるのです。後半にて語ってまいります。
ところでウルトラセブンの物語では、何度もその疑惑が出てきたわけですが…再びキリヤマ隊長の疑いをもたれるセリフがあります
※詳しくはYouTubeにて語っています!
なんで隊長がそんな事知ってるの?
https://twitter.com/navyblueaoao46/status/1346757104711864322?s=20&t=YGSM2tLL70LX-hryIWMkyg
ウルトラセブンの目的を瞬時に悟り、隊員たちに指示を出すキリヤマ隊長の行動には、やっぱり…キリヤマ隊長はモロボシダンの正体は知っているのでは?という疑惑がわいてくるのです。
最後のセリフにあるような、ダンに対する絶対的な信頼は、正体を知っているのではという確信に近づけますな。
その112 もはや子供番組ではない…セブンの●●
YouTubeの視聴者様のコメントより、ウルトラセブンをリアルタイムで視聴していた多くの方は、白黒テレビであった事がわかりました。
地方になればテレビ電波の受信状況によって画像も乱れやすい環境で視聴していた時代であったことが明らかとなってきました。
我々のようなテレビの再々放送世代は、初代マンやセブンは、カラー映像作品であると当たり前のように思っていますな。
人間牧場で海辺で「ルリ子」が発見された場面から、画面にセピア色のフィルターがかかり、アンヌが襲われてから、緑色に切り替わるなど…およそ子ども作品とは思えない、映像に実験的な試みがされています。
アンヌの写るカットだけソフトフォーカスがかかって、キラキラと美しくうつってみえますな。


https://twitter.com/roger_demarco/status/1430070896534847488?s=20&t=YGSM2tLL70LX-hryIWMkyg
本第22話の監督、俳優から監督に転向した異色の経歴をもつ鈴木俊継の演出は挑戦的ですね。
本作の見せ場は無数に飛ぶブラコ星人の宇宙船団とウルトラホーク1号の空中戦です。

第1期ウルトラシリーズでは、飛行機の戦闘シーンをいかにマンネリ化させないか、操演スタッフのプロフェッショナルな試行錯誤によって見応えのあるドッグファイトが撮影されていますな。
ピアノ線で釣った模型をからませずに、複数飛ばしたり、スピンさせたり、操演の技術の高さに驚かされます。

第22話がこのように、様々な視覚的演出が試みられたのには、ある理由がありまして…
その113 上原正三「●●を押しつけられる」
第22話の脚本は山浦弘靖が書いたものを、上原正三が手を加えたものだとわかっています。
当時の出来事を記した上原メモには、メインライター金城哲夫がすべき脚本のなおしを「押しつけられた」と書いているところが興味深いですね。
その際に、前半から話題になっている、ダンが敵の円盤群にホーク3号で突撃するシーンとウルトラセブンがブラコ星人の円盤からのビームで捕らわれたシーンがつけたされたのです。
変身のために特攻しかけたり、●●隊員ごめんと気絶させたりと…非常手段の行動は、ウルトラシリーズでは、あるあるとなっていくわけですが…

とはいえ、脚本の原案ではセリフによる状況解説のみだった部分が、映像化された事によって、SFアクションとして見応えのある作品となったと思われます。
ポインターが海面をホバー機能で飛ぶ演出、赤い胞子が培養されて膨らむシーン、ブラコ星人が解剖されるシーンなど、原案にはなかったそうですね。

『ウルトラセブン』の第22話の「人間牧場」で「ウルトラ警備隊の基地にブラコ星人がどうやって侵入したのか?」が、いまだに謎です。
ウルトラ警備隊の基地の警備は甘いのでは?
一度も宇宙人の侵入を許さなかったZATは、結構すごいと思う。 pic.twitter.com/7qwUMRRlfv
— 中井寛一 (@ichikawakon) August 21, 2021
地球防衛軍のセキュリティがガバガバ問題については、また、おいおい取り上げていきたいと思います。
次回は「明日を探せ」は、キリヤマ隊長の男のダンディズムと古きよき昭和のおもむきを感じるストーリーです。お楽しみに。